
能登への思いを込めて、アートの力で病院を豊かに。
「金沢西病院」に現代アーティスト・山本基氏によるアート作品が新設。
病院1階外壁とエントランスのカウンター内に、病院内11作品目となるアート作品が登場!
医療法人社団 博友会 金沢西病院は、2025年3月3日(月)より、病院1階の外壁とエントランスの
カウンター内に、石川県在住の現代アーティスト・山本基氏の作品《時の波音》を新たに設置しました。
恒久展示となり、病院利用者が来院時に無料で鑑賞いただけます。
当院ではこれまでも地元の陶芸作家などの作品10点を院内の1階総合受付エリアや理事長室に設置して
おり、今回は約3年ぶりに設置される11作品目となります。
今回の作品を制作した山本基氏は、金沢市に拠点を置きながら世界各地で展覧会を行い、国内外で多くの注目を集めるアーティストです。若くして妹と妻を亡くした山本氏は、その思い出を忘れないために作品制作を続けていますが、今回は当院にお越しになられる皆様とともに、能登半島地震で被災した方々への想いを込めて作品を制作いただきました。
本作《時の波音》は、外壁とエントランスのカウンターと大きく2つの構成に分かれていますが、一連の作品として制作されています。外壁では山本氏がデジタル描画した絵をシートにて展開し、カウンターの内側ではアクリル絵具を用いて描かれた絵画作品が飾られています。色鮮やかな色調で病院の外側から来院する皆様をお迎えし、その歩みに沿って寄り添う作品となっています。
作家プロフィール
山本基|Motoi Yamamoto
1966年広島県尾道市生まれ。1995年金沢美術工芸大学卒業。若くしてこの世を去った妻や妹との思い出を忘れないために長年「塩」を用いたインスタレーションを制作しています。
「First Steps: Emerging Artists from Japan」(MoMA PS1、ニューヨーク、2003)、「21世紀の出会い―共鳴、ここ・から」(金沢21世紀美術館、石川、2004?05)、「MOTアニュアル2010:装飾」(東京都現代美術館)、「Mono No Aware: Beauty of Things」(エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク、2013?14)、瀬戸内国際芸術祭2016、奥能登国際芸術祭2021など。
アーティストからのメッセージ
本作は、私自身が家族の病と向き合った経験を通じて、医療現場で働く方々への深い敬意と感謝を込めた作品です。長年抱いてきたこの想いを形にできたことは、私にとって大きな喜びです。
訪れる方々が少しでも穏やかな気持ちで門をくぐれるよう、静かに打ち寄せる波音を感じられる、安らぎのある空間を目指しました。背景の虹色は希望や幸運の象徴であり、雨上がりに現れる鮮やかな光の帯が、新たな始まりを告げることを願って選びました。
また、渦巻きは私が長年描き続けているモチーフであり、生命の営みや再生を象徴するものです。患者さんの快復への願いとともに、能登半島地震で被災した地域への想いも重ねています。私は奥能登国際芸術祭に参加し、珠洲に常設していた作品が地震で倒壊しましたが、その地を何度も訪れ、地域の人々と交流を重ねる中で、アートを通じて能登の復興に少しでも力になりたいと考えるようになりました。本作には、そうした地域への敬意とつながりも込められています。
医療法人社団博友会 金沢西病院の「医美同源」の取り組み
「医療」と「アート」。遠い存在にも見える両者を「人間が生きる源=医美同源(いびどうげん)」として、当院では積極的に融合に取り組んでいます。「工芸壁」と呼んでいる、地元の陶芸作家とコラボレーションした陶板は院内の1階から5階まで各所に設置、2021年に改修した理事長室にも、能がコンセプトの陶板や壁画を納入しました。また、 “アートやデザインの視点を取り入れることで、入院中の患者さんにより豊かな病院での過ごし方を提供することができるのではないか?”という考えから、「入院生活を豊かにするデザイン」をテーマに作品募集をしている「医美同源デザインアワード&シンポジウム」も毎年実施しています。











